TOP » 第85回「 成形品加飾における最新トレンド」
スタンダード委員会セミナー部会
【第85回勉強会報告】
自動車業界を中心とする成形品加飾における最新トレンド
 
 
【開催日】2018年6月20日
【講 師】ナビタス株式会社
     NATS事業部 事業部長 柴田 直宏 氏 
【参加者】20名
【テーマ】Navitas 社の3次元加飾技術(NATS:Navitas Air-heat Transfer System)とそれによって広がるデザインの可能性
【会 場】JIDA ギャラリー
【概 要】
従来から用いられている成型品加飾技術として曲面印刷可能なパッド印刷や箔押しホットスタンプについて事例を示し、そこから進化した応用技術を紹介。 
次に、近年の深絞りやアンダーカット形状での転写やラミネートの要望に答えるNavitas 社の3次元加飾技術(NATS:Navitas Air-heat Transfer System)について、その開発経緯も含めて解説。成形品への加飾技術の進化は、コストダウン、造形自由度の増大、省エネ、環境負荷低減などのメリットをもたらしている。
 
はじめに:Navitas 社紹介
 
1.これまでの加飾技術
パッド印刷、ホットスタンプやロール転写の解説。曲面に印刷するため、形の変形、伸びに関するノウハウを蓄積。
例:自動車のインパネ、容器、グリップなど製品部分、
 
2. 3次元加飾:深絞り形状、アンダーカットへの転写
・ホットスタンプ:二軸延伸フィルムにグラビア/シルクスクリーン印刷/蒸着を施し、熱とラバー型押し圧力により、3次元自由曲面に転写。ただし、浅い絞り。
・RCC(Real Cubic Coating)工法:伸縮性のある無延伸フィルムに印刷し、熱と圧力(チャンバ内を真空、のちに圧空)により成形品にフィルムを密着、深絞り、アンダーカット面へ転写。
熱圧空の後、蒸気により均一に加熱、多数個取りを可能。
 
3. NATS工法(Navitas Air-heat Transfer System 、空気転写)
3-1 NATS工法開発の狙い:3次元加飾市場におけるニーズの変化
・環境対応:転写技術による環境負荷の低減、塗装の削減、メッキの廃液、
・加飾の向上:印刷精度を上げる、
・コストダウン
 
3-2 加飾フィルム2種
・ラミネートフィルム:フィルムを残す→フィルムをトリミングする
・転写フィルム:加飾層を転写、フィルムは取り去る→フィルムをトリミングしない
 
3-3 特徴
転写フィルム では、フィルムに付いている加飾層のみを転写する。
・意匠性:深絞りやアンダーカットでの加飾、印刷精度の良さ、表面エンボスやメタリック調可能、
・コストや工程数:多数個取り、トリミング不要、汎用フィルム使用、薄い加飾層で嵌め合い公差検討不要、
・環境負荷:低い
・特殊ヒーター:フィルム表裏面の温度差小、インナーエンボスフィルムのプレフォーミング可能、
・スーパースチーム(過熱蒸気):製品の全方向へ熱が一瞬で廻る、成形品の変形を抑える、
 
3-4 NATS工法の工程
①チャンバ内の治具に成形品をセット
②治具がテーブルとともに降下
③チャンバにフィルムが自動送り
④チャンバを閉じて真空引き
⑤フィルムを加熱し軟化:特殊なヒータ採用、フィルム表裏の温度差小
⑥治具を上昇、大気解放:治具上昇速度を可変制御
⑦加熱蒸気の次加熱で接着層を定着:熱圧空によるチャンバー内温度低下防止とスーパースチーム(加熱蒸気)による全方位型加熱で、アンダーカット部にも熱を伝導
⑧加工完了
⑨チャンバを開いて、基材フィルムを剥がす:加飾層のみが製品面に残り、トリミングが不要
 
 
 
4 条件管理
・データロガーを活用し、多角的に条件管理
・どこでも同じように条件管理可能
 
5 空気転写(NATS工法)+αで広がる加飾の可能性
・各種エンボス転写:梨地、木目、皮革、布、紙など
・触感:しっとり、さらさら、柔らか
・箔転写:金属調
・NATS工法とパッド印刷の組合せ:バックライトでパターンを光らせる
 
*サンプル回覧
様々なサンプルを手に取り、じっくり見る
 
 
6. 質疑応答
Q1:インモールド成形との違いは?
A1:深絞り、アンダーカットへの加飾が可能ということ。インモールド成形のフィルムの伸びは110%、NATS工法ではフィルム800%、インク1200%の伸び。
Q2:加飾の精度は?
A2:機械としては精度が出ているが、フィルムの伸びが一定ではないため、印刷精度は低い。深絞りではサイドのパターンは変形しがち。深絞りでパターンが変形しないように転写する印刷技術は、ホットスタンプ以来の技術が蓄積されている。
Q3:コストは?
A3:現状は、塗装より高い。環境対策で2030年に自動車業界が塗装を半減、NATSはコストダウンへ。
Q4:少量生産は可能か?
A4:技術的には可能。コストがかさむ。
Q5:対応素材は?
A5:PP、テフロン等接着性の悪いもの以外の各種プラスチック、アルミ・マグネシウムなどの金属
 
講師より一言
今回の案内で皆様の加飾ニーズのヒント付けが出来れば幸いです。
ナビタスは、総合加飾のプロとして市場が要望されるニーズに応え続けます。
お問い合わせをお待ちしています。