JIDAスタンダード委員会 セミナー部会
 

2005年10月6日
東京都城南地域中小企業振興センター
機械担当 研究員 黒瀬 矩人 氏
参加者 : 23名

 

 

 

 

 







 

 

今回は、工場見学の一貫として京急蒲田駅前に在る「城南地域中小企業振興センター」 

への見学を行いました。

この施設は都内に3箇所在る東京都の管轄の中小企業振興センターの1つで、各種最新
機器を1h単位で借りることが出来たり、技術相談、開発協力事業など、個人や中小企
業の振興を図ることを目的とした総合的な支援施設です。実際にデザイナーが個人で
加工に使用するのはもちろん、中小企業が試作品作成や様々な製品テストなどに活用
されているそうです。
当日は研究員の黒瀬さまに、センター内の一階と地下に設置してある機器の概ねの特徴
・使い方を巡回しながらレクチャーしていただきました。

下記、主な機器類になります。
○各種測定機器
・三次元測定器
・非接触測定器
・定数測定器・測定用素子
・ロックウェル硬さ試験機
・表面粗さ測定器
・電子顕微鏡etc…

○屋外環境の試験機器
・環境測定器・恒温恒湿槽
(1年間の紫外線量・雨水テストを 1週間で再現できる)
・マイナス30度の環境ルーム etc…

○立体造形システム(CADと連動した加工機)
樹脂の光造形もありますが、下記の機器が目新しいです。
・レーザー型彫り装置(金属上に3Dレリーフ等加工)
・金属光造形複合加工機(CADデータから直接金型を造形)
etc…

○その他、加工機器
・ナノテクノロジー加工装置
・ICPドライエッチング装置
・収束イオンビーム加工装置
・マイクロカッタ   etc…

皆さん大変関心があったのは、
複雑な形状の金型ができてしまう金型光造形複合加工機
最近最新機種に入れ替えたばかりのPPライクの光造型機
3Dデータと連係したレーザー型彫り装置
3CCDカメラによる3次元スキャナ等のものづくりIT支援機器でした。

施設内を一回りして感じたのはその機器の多さと大変に高価な機器がごろごろ置
いてあるところに、東京都の管轄であるということを再認識したということです。
場所も蒲田ということもあり、地域の中小企業と密着してものづくり支援をして
いるのだと感じました。

また、始めて見る機器ばかりで一回説明を受けただけではなかなか理解できない
複雑な機器が数多くあました。「何をする為の機器なのか、それが必要にならな
いと解らないのではないでしょうか?」との意見を研究員の黒瀬様にしたところ、
「とにかく何をしたいか何をテストしたいか、どのように加工したいか等の相談
をしていただければ、専門の研究員がそれに対応した技術支援をする体制をとっ
ているので、気軽に相談してほしい」との事でした。

このように、これだけの設備が大変低価格で使え、またいろいろな相談もできる
ものづくり支援施設、我々デザイナーにとっても試作や製造のあらゆる面で活用
できるといえます。特に個人や小規模な事業所にとっては強力な武器になるので
はないでしょうか。