TOP » 第56回高付加価値表面華飾

2010年1月29日
ナガシマ工芸株式会社、長瀬産業株式会社
<水圧転写印刷とレーザー彫刻による高付加価値表面華飾技術>
参加者:14名

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近年、自動車の比較的高級車には内装パネルとして天然木目の突き板を成型品に貼って
完成にしたものか、プラスチック成型品に直接水圧3次曲面印刷したものを塗装仕上げされた
パネル等が採用されています。最近ではグラビア製版と印刷転写技術が向上し専門家でも
天然木目か水圧転写印刷か見分けがつきにくくなる位、精度が向上しています。また、
最近の地球環境問題や木材伐採の問題をふまえ、天然木ではヒビワレ等の品質問題、
コスト、納期の問題も抱えています。
しかし依然として自動車業界の一部には「本木志向」で付加価値を上げたいという
ニーズが残っている反面、高級感が出てお客様が納得して喜んでくれるのであれば
印刷でも良いなど、考え方も多様です。

そこでナガシマ工芸株式会社様では創造性の高い付加価値技術を模索しているなかで、
現業の水圧転写印刷技術の近接技術で、日本の伝統文化である木目象嵌を特殊印刷技術

とレーザー加工技術で本物と見分けがつきにくい象嵌印刷技術を開発されました。
木目象嵌印刷として立体感を出現するには、水圧転写木目印刷

 とレーザーによる彫刻を組み合わせることを基本のコンセプトとして展開しています。
位置決めに印刷精度等の課題を解決し、マスキング技術を駆使し、レーザー彫刻条件の
最適化で木目象嵌印刷技術が完成しました。

2009年度、第3回ものづくり日本大賞の経済産業大臣賞を受賞された技術はこれをさらに
技術発展させ、金属製ロゴマークの専業企業と共同開発した金属象嵌製品は、
ナガシマ工芸株式会社様のレーザー象嵌印刷技術を応用して、ロゴの厚みとトップ層の
印刷塗料の厚みを制御し、平滑表面の象嵌や、金属面を浮き上がらせた象嵌加工が可能
となりました。また、金属に変えて、螺鈿状の物質を用いることにより、幅広い応用製品が
期待され注目されています。
更に透明の素材にこの方法を実施し、ロゴマークの外周に隙間を設定することにより、
背面から光を当てることで、ロゴマークの周囲が光る意匠等も表現できるようになりました。

これまでの古典的象嵌細工は、異部材を嵌合してから接着剤や嵌合部分の凹凸を研磨し
平滑な表面を磨き上げる作業が必要であった。今回の技術は嵌合する部品と嵌合される
部品表面は、印刷塗装等の表面仕上げが済んだ両者製品を接合することにより完了します。
古典的象嵌細工等、象嵌師が手仕上げで行っていた工芸品を、レーザー技術とマスキング
印刷塗装技術等で工業化し量産技術を確立し、高品質と低価格で生産できることが可能に
なります。

今後は自動車以外の、航空機の内装(特にファースト、スウィーツクラス)、時計文字盤、
携帯機器、パソコン、ディスプレーその他あらゆる分野に応用される可能性を秘めている技術
になります。

今回は日本のクラフトマンシップを新しい技術によって工業化した最たる例として、
非常に興味深く拝見させて頂きました。