JIDAスタンダード委員会 セミナー部会
 

2004年3月15日.17日
三協ダイカスト(株)、日立造船情報システム(株)
参加者 26名

 

 

 

 

 

 

エポキシ系の液体プラスチックを紫外線レーザーで硬化させる、いわゆる「光造形」
は皆さんご存知のところかと思いますが、今回の勉強会は従来の光造形ではなく、
近年ドイツEOS社が新たに開発した「粉末焼結法による三次元造形システム」を
紹介していただきました。

以下の点が液体式の光造形に勝る主な特徴です。

1.造形スピードが速い(液体のように静止を待つ必要がない)
2.強度が強い
(ナイロン素材を一層毎に方向を90度変えて固める)
3.サポートが不要
(固まっていない粉末によって支えられている)
4.立体的にレイアウトできるので効率的
5.樹脂だけでなく、金属や砂も造形可能

<粉末焼結法の種類>
EOSINTーP 
ポリアミド(ナイロン12相当)
アルマイド(アルミ粉末50%入りポリアミド、強度2倍)
グラファイ(グラスファイバー入りポリアミド)

EOSINTーS 
砂(主に鋳造用砂型に利用)

EOSINTーM 
ダイレクトメタル(ブロンズ系ニッケル素材)
ダイレクトスチール(通常の金型に使用可)

※その他、ゴム系素材、ステンレス、チタン等も現在開発中だそうです。

上記それぞれの造形サンプルを見せていただきました(砂以外)。ポリアミドの
打ちっ放しは粉っぽさが気になりますが、UVコート、サフェーサー等の仕上げ
処理で鏡面も可能です。スチールは積層厚が0.02〜0.05ということで、かなり
きめが細かく、少し磨いただけでピカピカの肌になります。

アルミ粉末入りのアルマイドは、レーシングカーの一部の部品にも利用されて
いるということで、実用強度が確保できることから、ワーキングモデルには勿論、
様々な少量生産への可能性が広がりそうです。