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「JIDA JUNIORでの活動を通して」 by 金子 真

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私がJIDAと出会ったのは大学に入学して間もない頃、大学の先生に紹介して頂いた
「JIDAデザインミュージアム」という展示会のアルバイトがきっかけでした。
そこでのアルバイトの期間中にJIDA JUNIORという学生団体を結成した代表の方に
誘われ、活動の内容もよく理解しないまま勢いで入会したのが始まりでした。

JIDA JUNIORは関東にある美大の様々な専攻の学生を始め、建築学部や法学部の学
生など日常ではなかなか知り合う機会がない学生同士が集まっていました。デザイン
を通じて何かやろうというエネルギーに溢れていて、次第にその活動に惹かれていく
様になりました。

当初はよくわからないまま入会したにも関わらず大学を卒業するまでの4年間、何ら
かの形でJIDAの活動に参加し続けたのはJIDAでの活動はいつも新鮮な情報や体験が
あったからだと思います。私が大学に入学したはじめの頃は、デザインの情報と言え
ば雑誌やインターネットが主な情報源であり、そこにあるものがデザインの全てで
あるように私の目には映っていましたが、JIDAに入って地域レベルや個人でデザイン
啓蒙活動をされている方がとても新鮮に映り、それまでのデザインに対する見方が少
し変わりました。

JIDA JUNIORでは学生とJIDA会員との交流や、JIDAの活動の一環として学生の企画
をバックアップして頂いたり、年2回の自主企画や現役のデザイナーへのインタビュ
ーなど様々なことを経験する機会に恵まれていました。

私が大学2年次に参加した源展という企画展示では先輩方と共に展示内容を企画し、
「日本人の生活文化を振り返る」というテーマの下、JIDA会員である加藤雄章さん
に講師として数回に渡るレクチャーを開講していただき日本文化や日本人独自の感性
について教えていただきました。企画の中では泊まり込みの合宿を開きメンバー全員
でテーマについて朝まで議論したことは今でもいい思い出として記憶に残っています。

この企画では「日本人独自の明かりに対する感性」をテーマに器形状の土台に明かり
が入った「光を味わう」というコンセプトの照明を作りましたが、モデルの作り方
などを他大学の先輩方から教わった事は非常に新鮮でした。


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その後大学三年次には団体をまとめる幹部五人の中の広報代表を担当し、空想生活を
運営するエレファントデザインと共同で企画をスタートさせました。皮製品を製造
する香川のルボア株式会社にご協力頂き、商品化を目指した活動を行いました。

現役デザイナーを招いての講評会やWEB上での一般ユーザからの意見などを参考に
何度も変更を加えていった結果、多くの方のご協力もあり自分の提案を商品化する
ことができました。企画を開始してから一年以上掛かりましたが学生の内から製品化
のプロセスを体験できた事は社会人になった今でも非常に貴重な体験だったと思って
います。


この他にも多くの活動に参加しましたが、JIDAの活動に参加することで「デザイン」
という手段が幅広い分野で用いられているということを実感しました。色々な意味で
「リアル」な物を見る事ができ時には困惑することもありましたが、デザインに取り
組んでいく上で多くの選択肢を得る事ができました。


現在は照明メーカーのインハウスデザイナーとして働いており、学生の時とはまた
違った経験を積んでいますが、JIDA JUNIORでの活動を含め学生の時の作品や経験は
その後の自分にとっての布石になっていると思います。私はJIDA JUNIORがデザイン
に少しでも興味を持っている学生が気軽に集うことができ、学生同士やJIDA会員の方
との交流を通していつも新鮮な情報とリアルな体験ができるコミュニティになって欲
しいと思っています。



金子 真 (かねこ まこと)
1985年生まれ
東京造形大学 デザイン学科 インダストリアルデザイン専攻卒業
JIDA学生会友JIDA JUNIOR二代目広報代表
Samsung Global Design Membership 2008 参加
2009年 マックスレイ(株)入社

更新日:2012.01.06 (金) 08:26 - (JST)