kanmi_5|JIDA東日本ブロック                     

[甘味所探索記]第5回 by仁保精親

こんにちは!。JIDA会員#770の仁保精親です。

とうとう2009年がやってきました。景気がますます悪くなってきて大変な時代がやってきました。
そうかといってじっとしていられないのがこの性分である。
春なので、隅田川付近の美味い所を紹介したい。観光地のメッカ浅草、雷門から吾妻橋(旧大川橋)をわたって、墨田区の墨堤(ぼくてい)通りを探索しました。

吾妻橋から、かの有名なアサヒビール本社が見えます。ちょうどビルがジョッキーの形で隣の皿のような建物はつまみ皿と煙とも言われていますが、地元では「金色のうんこ」といわれています。
この建物はたしかフランスの有名な建築家に設計されたものと云われていますが、どう見ても金色のうんこが落ちたようにしか見えません!!

吾妻橋のたもとに行くと、明治2年に創業した有名な海老屋總本舗の店があります。ここの佃煮は甘辛の味が有名で、とくに小エビを殻のまま焼いた、えび鬼がら焼き佃煮が有名です。
木場や門中の佃煮屋に比べるとちょうどいい甘さが口の中に広がります。一度食べてみると癖になる味です。

本来江戸前の佃煮は醤油だけで佃煮を作り、ややか辛めな味が普通です。特に品川近辺や木場辺りはそういった味が江戸前といわれていましたが、海老屋の二代目から煮汁に砂糖を加えて甘辛くしたのが、評判を呼び現代までこの味が海老屋の味として伝えられているのです。

いずれにしても食べれば納得する味である。

お気に入り

さて、橋のたもとから左折し、墨堤(ぼくてい)通りを歩いていきますと。墨堤公園にさしかかります。
ここの墨堤公園は結構、ホームレスと野良猫が多いので有名であります。(ただホームレスのメッカである上野公園ほど人が多いというほどではないが…)
皆さん、最近の公園のベンチは座席の中央に仕切りのような肘付の板が貼ってあると思いますが、あれは座ったときの肘掛と思ってはいけないのです。つまりベンチに横たわって寝かせないように作られたものなのです。


つまりホームレスがそこで生活できないように考えられたベンチなのです。自分だったら思い切って太陽の光を浴びながらベンチに横たわって昼寝をしたい!!いいのか、悪いのかよく解らないのである!!

さて、この公園を過ぎていくと、かの有名な牛島神社に突き当たります。(非常にのどかな場所です。)
こ の神社は何が有名というと、「撫で牛」を祭ってあり、牛の石造に、自分の痛いところの箇所を撫でると、直ると言い伝えがあります。須佐之男命(すさのおの みこと)、天之穂日命(あめのほひのみこと)と清和天皇の第七皇子、貞辰親王命(さだときしんのうのみこと)をお祭りしており、全国的に珍しい三輪鳥居が ある神社で有名でもあります。建立から約1100年程度たっています。

特に9月第2週目に、牛島神社の大祭がありますが、本社神輿の先頭に牛を歩かせるのが代々の祭りの
慣わしになっています。一度、「撫で牛」を撫でにいかれてはどうでしょうか、良くなると思いますが?

牛島様をお参りして、隅田川の上のほうまでしばらく歩いていきます。この辺りは隅田川対岸をはさみ、桜の名所であり、メジャーな神社仏閣に比べて、非常に簡素な場所であり、どちらかというとマニアック的な小さな神社や寺が散在しているところでもあります。

隅田川の桜橋付近まで歩いてくると、右前方に、享保2年(1717年)創業の長命寺の桜もち山本やが見えます。昔、長命寺の門前で売り始めて約二百八十年、隅田川の桜と共に名物となったといわれています。

この店の桜餅は、小麦粉を薄焼きにしてその白い皮でこしあんを巻き、塩漬けした桜の葉を3枚ほどで包んだシンプルな菓子で、葉ごと食べられます。俗に言う関東風の桜餅です。
ちなみに関西風の桜餅はこしあんを蒸したもち米でくるんで、桜の葉で包んだものをいいます。道明寺の桜餅が関西風の桜餅として大変有名です。

ここの長命寺の桜餅、山本やのすごいことは、創業当時から桜の葉は全て隅田川の桜の葉を塩漬けして商品にしているところであります。今でいう現地調達のはしりであります。
(そりゃあ、ビル一軒、二軒でも建つわ!!)

お気に入り

でも食べてみればこの味のすごいことが解ります。本当にうまい!!
そんなに、甘くは無く、塩漬けした桜の葉とあんのハーモニーは口の中で広がっていくのが解ります。
桜の葉が苦手な人ともいますが、ここの店の葉は本当にうまく食べられます。「通」の食べ方としたならば、桜の葉を1〜2枚ほど残し、最後に桜の葉をお茶と一緒に食べるのが、また違った味が楽しめます。
口を閉めたところで、次は道路を反さんだ言問い団子屋へ行きます。

言問団子は江戸時代末期に創業したといわれています。何がすごいかというと、この団子屋は明治。大正時代の文人たち愛された店でもあります。
幸田露伴、永井荷風、竹下夢二、芥川龍之介、森鴎外などなどでありますが、この団子がどのような秘密が隠されているのか食べてみたがよく解らないのが実感としてあります。
確 かに、団子屋なのに竹串に刺していないし、小豆餡、白餡、みそ餡の三種類だけであるが、味は普通の団子屋に比べれば確かにそれなりのうまい味であるが、強 烈なインパクト性はない。でも落ち着いた昔ながらの菓子といった味である。もう少し食べ続ける必要があると感じた次第であった。

ところで、串に刺した団子の数はいくつが本当かいうと、5つの団子が正解なのです。
昔、 団子は本来、神様に供える菓子として作られた食べ物であって、「頭」「胴体」「腕」「脚」あと一つは忘れましたが、人の形を表したものを神に供えるといわ れていまして、今でも京都の下賀茂神社の神事のときに5つの団子を供える事があります。従って京都の2000年ぐらい続いているみたらし団子屋など、今だ に5つの団子を串に刺して売っています。
その団子数が4つになったのは江戸時代の中期に、4文銭が出たときに、当時の団子屋が採算ベースにあわす為に1個削って4個にして売ったのが全国に広がったのが今日まで続いているといわれています。
せこい話ですが事実なのです!!
今は3個の団子も売られていますがこれはNHKのテレビ番組の「団子3兄弟」の歌がヒットした結果なのです。

お気に入り

さて、ある程度、腹も満腹したが、この言問い団子屋の近くを走っている墨堤通りを明治通りに向かって、もう少し歩いていくと、知る人ぞ知る向町「志“満草餅」(じまんくさもち)屋がある。
道が結構、産業道路になっていてこの道沿いにうまい菓子屋あるとは誰も気が付かない場所にある。
この菓子屋の蓬(ヨモギ)の皮に包まれた餡が何ともうまい!!本当にうまいのである!!

しかし今日は疲れたので、次回改めてということで、近くの桜橋を渡って、新撰組の沖田総志が無くなった今戸神社まで歩いて行きますか。
そういえば今戸神社の宮司さんは女の神主さんがやっておられるので有名である。
女姉妹で神社をきりもりをしておられ、ふたりとも美人姉妹なのである。(ミス今戸と町内で評判の娘さん達です。) 見過ごしわけにはいかない、ではのぞきに行くことにする。

では今回はここまで…  レポートは仁保清親でした。

更新日:2012.01.06 (金) 08:14 - (JST)