motomizu|JIDA東日本ブロック                     

本水 裕次郎

★JIDA入会のきっかけは?★

直接的なきっかけは元上司でJIDAの理事である大先輩からお誘いいただいた
ことです。何かあたらしい発見や繋がりができることに期待して入会しました。
入会と同時に送られてきた「契約と報酬 ガイドライン」はフリーランスに
とっては大変価値のある一冊だと思います。



★代表作品とエピソード★


ソーラースケール:
電池の要らないキッチンスケールです。使わない時は太陽電池パネルが内側に
なるように回転させれば、外側がフラットになり、棚や引出しの隙間にすっきり
と仕舞うことができます。使う時はパネルを開き、スイッチを押すだけです。
ソーラーパネルが最も前側に位置するので、お皿やボールの陰になりにくいと
いう利点があります。
電池切れの心配が無く、少しでもエコに貢献しているところが気に入っています。



片面印刷機:
今まで手がけたモノの中で一番大きな製品です。
全長は長いタイプでは16メートルにもなります。スケッチを描いても今ひとつ
大きさがイメージできず、何度も工場に行って機械を触ってきました。
デザインする上ではオペレーターの動線を考慮したことはもちろんですが、連続
する印刷ユニットの美しさ、金属持つの重厚感、精度感などを表現しました。



★デザインについての考え方、ポリシーについて★

普段デザインする上で心がけていることは、「機能、造形、コストのバランスが
保たれていること」です。そのどれかひとつが突出していても、不足していても
ダメだと思います。使う人のことを考えれば、使い易くて、魅力的な色や形である
ことは当然ですが、それにプラスして「ユニークである」、「愛着が持てる」モノ
を目指しています。一方、作り手にとっては、上手に、安く作ることが重要です。
工夫すれば不要にできるコストを買う側に負わせるべきではありません。
デザイナーという立場から、イメージや品質を落とさず、作り易く、部品を減らす
等の提案でコスト削減に貢献できればと思います。使用者であり、生産者でもある
者として、普段の生活の中で思うことをデザインに取り入れて、今後も魅力的な
モノを作って行きたいと考えています。



★最近の関心ごと★

LED、燃料電池、太陽電池、水素エンジン、ペルチェ素子、直流電源の屋内配線
等々、省エネルギー関連技術の動向に関心があります。
石油燃料に代わるエネルギーや効率の良い素子、その技術を利用した機器こそ
日本が世界にリードできる分野であり、その可能性に期待しています。このよう
な今までに無い、全く新しいモノのアイデアを浮かべているとワクワクします。
地球にやさしく、生活を豊かにする、そういうモノを開発したいと思っています。



★趣味について★

趣味はモノづくり。モノいじり。子供の頃から工作が好きで、クラフト、電気
工作、バイクいじり、家の床貼り、修理など、生活の基本はDIYです。IDの道に
進んだのもこの工作好きの延長であることは間違いありません。インダストリ
アルデザインは大量生産が前提ですが、3Dプリンタなどで立体物が簡単に作れる
ようになった現在、これを試作用に留めておくのはもったいないと思います。
もっとクラフトに近く、それぞれのユーザーにカスタマイズされたモノづくり
の世界ができないか追求してみたいと考えています。



★私とJIDA、JIDA活用法、JIDAに望む事等、JIDAに関する事★

JIDAとの関わりは現在のところ、興味のあるセミナーに参加する程度ですが、
貴重な情報源として活用させていただいております。特にコンピュータ関連や
新しい素材、技術などの動向をキャッチするのに役立っています。
今後はもっと能動的に会員の皆様との交流を増やして行きたいと思っています。
会員の間で協同して何かを作り上げるというようなことができれば嬉しい限り
です。JIDAに望むことは、共済組合的な機能が充実していると良いと思います。
会員の7割以上がフリーランスということを考えると、そういう思い方も多い
のではないでしょうか。



★私の仕事道具★


造形においては2次元で大まかなイメージを考えたら、発泡アクリルやクレイで
立体を作り、あれこれいじりながら詳細を詰めることが多々あります。いくら
画面上で3次元の物体を動かしてみたとしても、実際の大きさや、指先で感じる
エッジの感触までは分かりません。そんな時に役立っているがこのハイトゲージ
です。ゲージですから測ることが本来の使い方ですが、鋭い先端を前後に動かし
て、一定の高さで削るという作業にも使えます。どちらかというと、こうして
実際に手を動かす作業がデザインの過程で一番好きです。


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★御自身のプロフィール★



本水裕次郎/Yujiro Motomizu
シュートデザイン
E-mail: y@motomizu.com

1965年、京都生まれ。
武 蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業後、インハウスデザイナーとして大手メーカー3社で経験を積み、2002年よりフリーランス。これまでのデザイン実 績は産業用機器、電動工具、精密機器、日用生活品、カー用品など。コンセプト提案から、量産デザインまで。モノづくりに関してはユーザーにとっても、メー カーにとっても魅力あるモノを目指しています。多摩市在住。
更新日:2012.01.15 (日) 05:25 - (JST)