2012年JIDA賀詞交換会|JIDA東日本ブロック                     

原田泳幸氏講演のご報告 — 2012年JIDA賀詞交換会より

1月13日(金)に六本木AXISギャラリーにて賀詞交歓会が例年通り開催された。

毎年その時代の先端を行く著名な方をお呼びして記念講演をお願いしているが、今回は2004年にMacからマックへ※の転身で時の人となった日本マクドナルドホールディングス(株)会長の原田泳幸氏にご講演頂いた。
(※アップルコンピュータ・ジャパン(株)(以下アップルコンピュータ)Macintosh社長から日本マクドナルドホールディングス(株)(以下マクドナルド)社長へ)

 

講演の内容は「マクドナルドの経営改革」について。
マクドナルドに社長として就任された際に、如何にして下降する業績をV字回復させたか、そしてブランド力やデザインをどれだけ重視したかなど、原田泳幸氏の持つ成功の方程式をお話頂いた。


同氏は社長就任後先ず真っ先に「QSC&メイドフォーユー」を徹底して行う事を改革の第一歩として掲げ、それを即実行した。
これは外食産業の基本であるQSC(Quality、Service、Cleanliness)と、メイドフォーユーという注文されてから商品を提供するというキッチンシステムを導入し、そこに集中して人材育成など資金を集中し、投入した。
その結果、単純な安売戦略で売上げやモラルが下降していく一方の業績悪化に歯止めがかかり、翌年には売上げも上昇。その後もその土台構築により可能となった様々なバリュー(価値)を展開しているという内容であった。

またマクドナルド独自の「らしさ」を把握し、それを貫く事がブランドの価値を上げる事にもつながるため、前記のQSCはもとより、店舗や広告などのデザインを判断する際にも「らしさ」にとことん拘った。
例えばアップルコンピューターにスティーブ・ジョブズ氏が社長に復帰して、なぜあれほどのV字回復を遂げたのか、それは一言「最もアップルを知っていたか ら」、即ちアップル「らしさ」とは何かを最も知っている存在であったからという事だ。かつて開発の際、顧客からの声を取り入れ「ダイエットの商品を出した らどうか」という提案も有ったのが、やはりマクドナルド「らしくない」という観点から、それは商品化には至らなかった。米国発のハンバーガーブランドであ るマクドナルドとして「らしさ」を追求し、CMでもよく見かけるアメリカのツアースポットの名前が付いたハンバーガーは、いかにもマクドナルド「らしさ」 であると納得できる。今回の講演は、通常デザイン業界内だけでは、知る得る事が出来ない内容も多く含まれ、多くを学び得る事ができた。

そして記念講演終了後レセプションパーティーでは、いつにも増した多くの会員が参加し、盛大に行わた。60周年を前に、2012年幸先の良いスタートが切ることができ、講演頂いた原田泳幸氏やスタッフの皆様、参加頂いた方々に深く感謝いたします。

日本マクドナルドホールディングス株式会社
会長 兼 社長 兼 CEO 原田泳幸 氏
(はらだえいこう、1948年長崎県生まれ)
講演者略歴:
1948年 長崎県佐世保市出身
1972年 – 日本NCR(株)入社
1980年 – 横河・ヒューレット・パッカード(株)入社
1983年 – シュルンベルジェグループ入社 取締役マーケティング部長、取締役ATE事業部長
1990年 – アップルコンピュータ・ジャパン(株)(当時)入社 マーケティング部長
1993年 – 同社 ビジネスマーケット事業部長 兼 マーケティング本部長就任
1994年 – 同社 取締役マーケティング本部長就任
1996年 – 米国アップルコンピュータ社 ワールドワイドコンシューマーマーケティング/SOHO担当、バイス・プレジデント就任(米国本社勤務)
1997年 – アップルコンピュータ(株)代表取締役社長兼米国アップルコンピュータ社
副社長就任
2004年 – 日本マクドナルドホールディングス(株)、日本マクドナルド(株)
取締役副会長兼社長兼最高経営責任者 (CEO) 就任
2005年 – 日本マクドナルドホールディングス(株)、日本マクドナルド(株)
代表取締役会長兼社長兼最高経営責任者 (CEO)

 

運営:東日本ブロック 運営委員会
文責:東日本ブロック長 吉田晃永

更新日:2012.04.15 (日) 08:02 - (JST)