でざきっずプロジェクトWS“きき手”ってなんだろ?|JIDA東日本ブロック                     

でざきっずプロジェクト キッズ・デザイン・ワークショップ

「“きき手”ってなんだろ?」〜手でさわるカタチをつくろう〜



日時:2010年7月3日(土)11:00~17:00
場所:世田谷 生活工房4F
参加人数: 22名(小学校3〜6年生)
主催:(財)せたがや文化財団 世田谷文化生活情報センター 生活工房
※世田谷区よりの委託事業


2010年7月1日〜7月14日の期間で、(財)せたがや文化財団 世田谷文化生活情報
センター 生活工房で開催の「DESIGN for LEFTY展」内ワークショップのひとつ
として、同財団より受託し、2010年7月3日(土)にキッズ・デザイン・ワーク
ショップ「“きき手”ってなんだろ?」〜手でさわるカタチをつくろう〜を行い
ました。(対象:小学校3〜6年生)


11時〜17時という時間のため、途中に昼食をはさみながら午前と午後の2部構成
としました。

開始前、参加者には、受付でシール式の名札に自分のニックネームを書き込んで
胸に貼ってもらい、アシスタントの誘導のもと音楽がかかったワークショップル
ームで、好きな席について楽しくおしゃべり。

ここまでは毎回でざきっずのワークショップでは “おなじみ”です。スタッフや
アシスタントもニックネームの名札を首から下げます。お互いをニックネームで
呼び合う事で、自然に気分がやわらかくなります。




<アシスタントと一緒にゲームを通してきき手を体験する・感じる>


時計が11時を過ぎ、ワークショップ開始です。
プロダクトデザインについて、JIDAについて、スタッフとアシスタントの自己
紹介の後、参加者に自由に4班に別れてもらいました。(各班にはアシスタント
が2名づつ付き、参加者の作業をアシストします。)今回は22名の参加者でした
が、きれいに6名、6名、5名、5名、に別れました。参加者(こども)の適応の
早さに驚きました。




<きき手用ではないはさみを使った切り抜きゲーム>


はじめはお昼をはさみ、アイスブレーキングを兼ね、 “きき手”を意識した
「きき手ゲーム」を行いました。また、そのつど感じたり、観察したり、発見
した事等をワークシートに記入しました。

ゲーム1「切り抜き競争」
自分のきき手用でないはさみで、決められた形を切り抜く競争

ゲーム2「伝言ゲーム」
はじめに聞いた内容を自分のきき手でない方の手で紙に絵で書き、次の人は
その書かれた内容を写し次の人に渡す伝言ゲーム

ゲーム3「きき手当てクイズ」
スタッフやアシスタントのきき手がどっちかを当ててもらうクイズ

ゲーム4「ピンポン球リレー」
きき手でない手でピンポン玉をスプーンで運ぶリレー競争




<きき手でない手でピンポン玉リレー>




<あせらず皆でタイミングを合わせて…>


これらのゲームでは自分と他者、または自分自身にキキ手がどのように影響する
かを、楽しみながら“体験”し、“感じ”ることができました。


後半は、前半のゲームを通して体験し感じた“きき手”を意識しながらも“きき手”
に拘らず、“手と物”のインターフェースとしての“カタチ”を考え、紙粘土を使っ
て抽象的なカタチを作りました。




<頭の中のイメージを絵と言葉で画用紙に表現>


制作にあたっては、それぞれ画用紙に自分のイメージやアイデアを言葉と絵で
表現し、その後実際のカタチをつくって行きました。




<絵の具を紙粘土に練り込むときれいな色に!!>




<手を休めるための台>




<左手で握りやすいカップ>




<カタチをつくる道具は手だけ!>




<指から押し出したカタチ>




<きき手で持ちやすいスプーン/お皿>


完成後の発表では各自考えた様々なカタチが提示されました。

手と物のインターフェースとしてのカタチという難解かと思われるテーマに、
参加者は柔軟に自分の答えを導きだし、中には「行為を促すカタチ」を提案する
参加者も見られました。






<発表風景>


画用紙へのコンセプト立案から、紙粘土による立体物作成・着彩まで1時間30分
程度だったにもかかわらず、全員が完成し、発表出来たことに、参加者の集中力
の高さ、思考の柔軟さを感じました。

当初、企画立案時のミーティングで、今回の課題について理解や制作物の難しさ
をスタッフ側で議論しましたが、結果的に驚くようなアイデアやカタチが出来上
がりました。




<皆で集合写真>


日頃デザインという行為の中で使われる手法を使い、同じ事を小学生に伝え、
取り組むことが想像以上に楽しく、興味深いワークショップとなりました。
参加者からも「次はいつやるの?」「次も必ず参加したい!」「このワークショ
ップにきて良かった!」と満足の声が聞こえ、非常に嬉しく思いました。


レポート:福田一郎

更新日:2012.01.15 (日) 05:21 - (JST)