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連続フォーラム「2010ビジョンクエストに向けて」−−ユーザー視点を現実のものに

第5回フォーラム・見学編「先端技術館@TEPIA」


日時:2009年4月23日(木)PM3:00〜5:30
場所:東京都港区北青山(東京メトロ銀座線外苑前駅徒歩4分)
参加:20名
主催:JIDA 2010ビジョンクエストを推進する東日本ブロック委員会



この連続フォーラムは最近よく言われる「ユーザー視点に立ったデザイン」を一歩踏み
込んで捉えるために「生活」について考え続けていますが、平行して「見学編」を設け、
関連する様々な組織・施設の中からデザインに関係の深い所を選び見学しています。
前回の経済産業省所管の独立行政法人 製品評価技術基盤機構NITEに続き、今回は財団        
法人 機械産業記念事業財団の展示事業である「先端技術館@TEPIA」を見学しました。

◎先端技術館@TEPIAは、先端技術の主要技術分野を選定し最新の製品やサービス、技術
やシステムを選定しています。先端技術と人間生活や社会の進化に焦点を当て、健康、
福祉、医療、文化、環境、教育などの分野を重点的に取り上げ、特に産業分野は先端性
の高いものに特化しています。最新の集中展示は「環境」で、日本が誇る環境技術が分
り易く展示中です。

◎JIDA会員が仕事として関わった製品も幾つか展示してありますが、対象領域の専門化
が進み、自分の領域以外は意外に見る機会がありません。今回、実物中心の展示物をト
ータルに見て、生活環境の今日の先端と近未来がどのような技術と関わって成立してい
るのかを俯瞰し、技術主導の生活の方向に対して、改めてデザインの働きを実感する機
会としました。





主な展示は次の通りでした

◆「暮しとコミュニケーション」
薄型ディスプレイ、生活支援ロボット、ユビキタス、RFID
◆「健康と医療」
ヘルスケア、先端的医療機器。
◆「都市とモビリティ」
耐震・免震・制震、モビリティ。
◆「環境とエネルギー・資源」
自然エネルギーと環境、バイオマス燃料、プラスチック、燃料電池。
◆「マテリアルとデバイス」
ナノテクノロジーと高機能素材、デバイス。

見学を実施して

●見学は10名ずつに分かれ、展示物が多いためポイントを絞ってアテンダントによる説
明を1時間受けました。

●関心の対象は参加者一人一人異なりますが、改めて生活の隅々まで技術開発の対象とし
ていることが実感されました。日常の生活で身近に目にするものを始め、見えないなが
らも生活を支えているインフラストラクチャーや、医療の先端の機器、環境機器などは
目を見張るものがありました。

●また、テレビの前で身体を動かすだけでチャンネルが変えられるシステムや、次世代型
カプセル内視鏡、稀少金属を使わないエンジンの研究など開発されたばかりのものも展
示されていました。

●市販カメラでも導入されはじめた笑顔認証技術では、リアルタイムで自分の笑顔が何%
(100%満点)なのか判断出来るためか?カメラの前では皆さん満面の笑顔でした。

●主に医療系教育機関で使用されるという人体型モニターは、3Dデータ+立体モニター+
視点認識技術という組み合わせで、使う人にとっては画期的な機器になっており、なか
なか体験できない専門的な機器に触れることが出来ました。

●ICチップなども装置単体では、通常目にする機会が少ないですが、チップおよび様々な
使われ方が紹介されていました。

●デザインから見ると、それらが実際に使われる場面でのインタフェースや用途開発など、
多くのケースで、ユーザーの立場に立った貢献が可能であると考えました。

●その後2Fのビデオルームに移り、TEPIAの概要と山中俊治氏と千葉工大によって開
発されたロボットカーのデザインプロセスの様子を見ました。山中氏は「今、自動車デ
ザインは閉塞感があり、ロボットと組合わすことによって突破口を開きたい」と言って
いたのが印象的でした。同フロアには科学技術に関するビデオが豊富に収蔵されており
一般に公開しています。ぜひご活用をとのことでした。

●その後、参加者は閉館まで自由見学としました。

●今回、日程の都合で参加出来なかった方や、デザイン教育に携わっている会員の方に、
都心の交通便利なこの施設を是非見学されるようお薦めします。
アテンダントによるかなり詳細な説明を受けることが出来ます。






問い合わせ先:先端技術館@TEPIA事務局
TEL 03–5474–6128 http://www.tepia.jp/


■レポート:佐野邦雄 + 佐野正

更新日:2012.01.06 (金) 10:39 - (JST)