rashinnbann|JIDA東日本ブロック                     

羅針盤を持つ by杉本功雄

今、あらためて(インダストリアル)デザイナーおよびJIDAの社会的

役割について考えて行きたいと思います。そのためには
(インダストリアル)デザインについての基本的な考え方が重要になる
でしょう。デザインについて考える場合、デザイナー自身の問題として
の自律的要因と、外と向き合う他律的要因があると思います。この二つ
を有機的につなげてコントロールする仕組みを持つことが必要ではない
でしょうか。その結果として、JIDAとして明文化された「デザインの
本質」に基づいた「私たちはこう考える」によって、社会の共感を得て
行きたいと思います。

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未来図探求 JIDA vision quest

進行としては
「行動と実感」→「討論と原論探求」→「分析と集約」→「提言または提案」
という流れにしたいと思います。21世紀のデザインをどのような基盤
の上に組み立てるべきか、例えば、環境、公共、他者との調和、先端
技術とデザインの関わり、生活実感より情報価値重視の中でのデザイン
の質、グローバリズムとデザイン、アイデンティティとナショナリズム、
知財権や資格制度などデザイン環境の確立、人材を育てるデザイン教育、
高齢化社会への移行、人間の表現としてのデザイン、デザイナーの発
想の豊かさと自由度、デザインの概念と領域の再構築、等などがある
と思います。その上でJIDAとは何か?(インダストリアル)デザイン
の職能集団でなければ出来ない社会貢献、取り組むべき問題とは何か?
について考えて行きたいと思います。

プロフェッショナル 研鑽の場

ところで、
実感と共感の伴わない理論化は想像の産物であり脆弱な理論武装に陥る
危険性があります。デザイナーは一般に社会性が低い傾向があります。
一方で技術の高度化をはじめ産業構造の変革は個人の解釈できるレベル
を超えています。情報としての知識はあっても実感が伴いません。自ら
動きながら一歩踏み込んで見る必要があります。

このような思いで

昨年度は4回のフォーラムを実施してきました。今後もビジョンの具
体化に向けて、行動と討論を重ねて行くことを計画していますので、
関心をお持ちの方、ぜひご参加下さい。



第1回フォーラム「デザイナー・経営者は生活者であれ−ワガママな個人−」


第2回フォーラム・見学編「独立行政法人 国民生活センター相模原事務所」


第3回フォーラム「生活学とは何か。暮しと道具−−昔・今・これから」


第4回フォーラム・見学編「独立行政法人 製品評価技術基盤機構」


◎担当:JIDA2010ビジョンクエストを推進する東日本ブロック委員会
杉本功雄・佐野邦雄・佐野 正


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杉本功雄/sugimoto isao
プロダクトデザイナー

プロフィール:
コミュニケーションデザインコンサルタント
JIDA理事、2010ビジョンクエスト諮問委員会を担当
1968年有限会社ユニバーサルデザイン創業、現在代表。
以来、情報機器、計測機器、プロフェッショナルオーディオ、
工作機械、などのプロダクトデザイン業務を行う。
近年はクライアント企業像全体をコミュニケーションデザイン
として定着していくところまでを業務範囲とする。

更新日:2012.01.06 (金) 08:13 - (JST)