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佐藤 弘喜

★デザインについての考え方、ポリシーについて★
デザインの領域と概念は年々拡大しつつありますが、求められる実務的な
スキルが変化しても、本質的には分析力、発想力、表現力がデザイナーに
必要な能力だと思います。
歴史的な変化を見ると、この3要素のウェイトは表現力に重きを置いた時代
から、発想力や問題解決能力に移ってきた経緯があり、さらに今後重視
すべきなのは、扱う対象に関する分析能力ではないでしょうか。
教育者という立場でいうと、この3つを結んだトライアングルを、バランス
よく拡大していくことが重要であると考えています。

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★最近の関心ごと★
IT技術の進化によって、生活が変化していくことの実感が最近強まってい
ます。iPhoneを使うようになって、それまで持ち歩いていた手帳や電子
辞書、携帯電話などがまとまり、外出が身軽になりました。
そこには、従来考えられなかったことが可能になるという感動がある反面、
我々の生活が今後どうなっていくのだろうという不安も感じます。AV機器
の規格の新旧交代も目まぐるしく、メーカーの開発競争に付合わされ、
買わされているという感覚を多くのユーザーが持っているのではないで
しょうか。


★趣味について★
趣味はいくつかありますが、山登りなど屋外での活動はなかなか時間が取
れないので、最近の一番の趣味はワインを楽しむことです(趣味といえる
かどうかわかりませんが)。特に好きなのはブルゴーニュの赤ワインです。
ただし予算の都合から、普段開けるのはチリワインが主です。
そしていろいろな口実をひねり出しては、ちょっと良いワインを開ける
チャンスを探しています。そのため、大学の研究室では打ち上げやら誕生
祝いが頻繁に催されることになっています。


★私とJIDA、JIDA活用法、JIDAに望む事等、JIDAに関する事★
JIDAでは、現在進められている検定制度のための教科書づくりに関わって
います。執筆と編集の一部を担当していますが、今さらながらデザインと
いう仕事の多様性、求められる知識や能力の幅広さを実感しています。
また、普段大学で学生を相手にしていて、今日の学生たちのデザインに対
する興味や志向が、以前とは変化していることも感じます。
私の世代には、優れた製品デザインが持つ造形物としての存在感や普遍性
に対する、憧れと呼べるような感情がありますが、今日の若者にとって
そうした感覚は希薄なようです。
そんな世代のデザイナーたちを組織化していける活動や取り組みを、今後
のJIDAに望みたいと思います。


★私の仕事道具★
ハリネズミがデザインモチーフの、アレッシィのクリップホルダー。友人
からプレゼントされたものですが、デスクトップ上のオブジェとして気に
入っています。
形が魅力的なだけでなく、山形をしているのでクリップが取りやすいのが
ポイントです。クリップのような細々したものを、整然と並べようとする
のではなくランダムなままで取りやすく、しかもモチーフのイメージを
うまく使って見苦しくならずに収納できていることにデザイナーのセンス
を感じます。

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佐藤 弘喜

佐藤 弘喜/Hiroki Sato

千葉工業大学工学部デザイン科学科教授

E-mail:
hiroki.sato@it-chiba.ac.jp

★プロフィール★
1962年秋田県生まれ。1984年千葉大学工学部工業意匠学科卒業。
1984 年から1992年まで、本田技術研究所和光研究所デザインセンターに所属し、デザイナーとして乗用車の開発を担当する。2003年筑波大学大学院博士課程 終了、博士(デザイン学)を取得。現在、千葉工業大学工学部デザイン科学科教授。専門はデザイン学、感性工学。日本デザイン学会評議員、日本感性工学会会 員。現在の主な研究テーマは、デザインにおける感性評価構造の研究など。

更新日:2012.01.06 (金) 08:11 - (JST)